ZEH（ゼッチ）住宅とは

ZEH（ゼッチ）住宅は、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略であり、日本の省エネルギー基準を超えた高性能な住宅のことを指します。ZEH住宅は、年間の一次エネルギー消費量が実質的にゼロに近いレベルであることを特徴としています。つまり、建物のエネルギー消費を極限まで削減し、使用するエネルギーのほとんどを再生可能エネルギーで賄うことを目指した住宅です。

ZEH住宅を実現するための主な特徴や取り組みには以下のようなものがあります：

1.断熱・気密の強化：

ZEH住宅では断熱材を効果的に使い、建物全体の気密性を高めます。外気の侵入や熱の漏れを最小限に抑えることで、冷暖房によるエネルギー消費を減らします。

2.高性能なエネルギー機器の導入：

エアコン、給湯器、照明などのエネルギー消費の大きい機器は、高効率なものを使用します。

3.再生可能エネルギーの活用：

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用して、家庭で必要な電力を一部以上自給できるようにします。

4.エネルギーマネジメントシステム：

ZEH住宅ではエネルギーの使用状況をモニタリングし、効率的に管理するためのエネルギーマネジメントシステムを導入することがあります。

ZEH住宅は地球温暖化防止やエネルギーの持続可能性を考慮した環境に優しい住宅であり、省エネルギーと再生可能エネルギーの技術を組み合わせることで、住宅のエネルギー消費を大幅に削減します。日本政府や自治体などがZEH住宅の普及を促進するための支援策を進めており、将来的により多くの家庭でZEH住宅が建てられることが期待されています。

ZEH住宅のメリットとデメリットを以下にまとめます：

メリット：

・補助金がもらえる

国が定めたZEH住宅の基準を満たすと、国から補助金がもらえます。

2022年度の補助金額は、1戸あたり55万円です。

また、発電したエネルギーを蓄えておける「蓄電池」を設置すると、1kWhごとに2万円の補助金がもらえます（上限20万円）。（詳しくは環境省HPまで）

・省エネルギー・ランニングコストの削減：

ZEH住宅は優れた断熱性と気密性を備えているため、冷暖房のエネルギー消費が大幅に削減されます。また、再生可能エネルギーを活用することで、電気代の節約が期待できます。

・地球環境への貢献：

ZEH住宅は再生可能エネルギーを活用することで、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減します。地球温暖化防止に貢献するとされています。

・快適な居住環境：

優れた断熱性と気密性により、室内の温度や湿度を安定させることができます。常に快適な環境で過ごすことができます。

・長期的なコスト削減：

ZEH住宅は初期投資が高い場合がありますが、長期的にはエネルギーの節約によりランニングコストを削減できるため、継続的に経済的なメリットがあります。

・資産価値の上昇

将来的に住宅の売却が必要になった際も、資産価値が高いZEH住宅なら比較的高値で売却できるかもしれません。

デメリット：

・初期投資費用の高さ：

ZEH住宅は高性能な断熱材や設備を備えているため、一般的な住宅よりも初期投資費用が高くなる場合があります。

・再生可能エネルギーの制約：

太陽光発電などの再生可能エネルギーは天候や日照条件によって発電量が変動するため、完全に自給自足することが難しい場合もあります。

・設計・施工の難しさ：

ZEH住宅は高い技術が要求されるため、設計や施工には高度な知識や経験が必要です。施工不備があると性能が低下する恐れもあります。

・制約されたデザイン：

ZEH住宅の性能を最大限に活用するためには、一部のデザインや設備に制約が生じる場合があります。

総合的に見ると、ZEH住宅は環境への負荷を軽減し、エネルギーの節約に寄与する優れた住宅ですが、初期投資費用や設計・施工の難しさなども考慮して検討する必要があります。将来的なエネルギー価格の上昇を考慮し、長期的な視点でのメリットを検討することが重要です。